巡察

2006.08.17〜18

佐賀の役+西南戦争(5) : 大分


九州巡察最終日です!
今朝はいつもよりもっと早起きして、せっかくの別府温泉v
朝風呂に浸かって眠気を取り除きました。朝からビバビバ♪

外の様子を伺えば明るいものの曇天の空。
これまで通り雨はあったものの晴天続きだっただけに
今日あと一日持ちこたえて欲しいところ。

気になる台風情報をテレビで確認しつつ、
贅沢な朝食でお腹を一杯にし、
朝一番で地獄めぐりに繰り出しました♪

が、ちょうど夏休みで家族連れが多く、
すでに駐車場は満車状態でびっくり。。。
地獄って人気あるんですね(笑

別府温泉には八つ大きな地獄があり、
それぞれ地獄めぐりができるようにチケットが売られています。
ここは全部行っとくでしょうv と
8ヵ所パスできる観覧券を購入。ようこそ地獄へ、¥2000ちゃりーん。

AM9:20、最初に足を向けたのは海地獄
公園として整備された広い敷地のいたるところで
濛々と湯けむりが立ち上っています。

公園奥に湯けむりに見え隠れしながら、真っ青な池がありました。
摂氏98度の池は染料でもおとしてあるんじゃないかと思うくらい綺麗な青。
海地獄といわれるのがわかりました。
コバルトブルーは南国の海の色ですね。

池をぐるっと見れるように遊歩道が整備されてあり
温泉の噴出口まで回り込んで見ることができるのですが、
轟々と音をたてて噴出しているお湯の色は透明なんですけどね。
青色にかわるなんて不思議。

そして、お隣にも池があり、そっちは赤茶色をしていました。
青色と対をなすように、鉄が錆びたような銅色。
同じ温泉じゃないんでしょうか??なんでちょっと場所が違うだけで
色が変わっちゃうんでしょう??不思議〜+◆+??

また、そばに温室ハウスがあり、蘭などの植物が育てられていて、
中に設けられた大きな池には日本一の大鬼蓮が花を咲かせていましたv
地獄にもってこいですね。

AM9:40、続いてお隣の鬼石坊主地獄へ。
泥の泡がポコポコ。。。なるほど、泡が坊主頭のようです。

湯けむりも轟々という恐ろしげな音もなく、
なんとも拍子ぬけするような地獄なのですが、
時折泡がはじけると遊歩道にまで泥が飛んできます。

見てる分には熱そうに思えないのですが、これも温泉。
泡になっているのは泥が沸騰しているわけで、、、
油断してると火傷しますよ+◆+。

そんな可愛らしくも危険な坊主地獄を後に、AM10:00、
次は山地獄へ。 岩山のいたるところから噴気しています。
泉温は90度というのですが、
蒸気が濛々と立ち込めて熱いのなんのっ(ぎゃー。

そんな中、「居れんっ」と言って娘を置いて一人先を急ぐ父上(コラー。
気づけば湯けむりに巻かれて一人置いてけぼり。
いやーっ置いてかないでーっマジで怖いからーっ><。
→写真撮ってる場合じゃないよ、半泣きです。。。

追いすがった先には何故かカバが。
他にも綺麗な鳥とか獣とか…南国??
この地獄の持ち主のご趣味なのでしょうか。
ちょっとした動物園になってましたよ。

そしてお次はかまど地獄
昔、氏神竈門八幡宮の大祭に地獄の噴気で
お供えする飯を炊いた習わしがあったことから名付けられたそうです。

歩いて行くと、まず最初に赤茶色の泥がぼっこぼっこしている
かまど地獄1丁目。ここでなぜ赤茶色なのか案内がありましたv

地下にある岩盤が地熱によってできた
ねばっこい色んな種類の粘土が溶け出した色ということで
酸化鉄の色ではないんですって!

続いて、かまど地獄2丁目では噴気口で面白い実験ができました。
かまどの噴気口に向って、煙を出して燃えているたばこやマッチなどの
火の頭のところを蒸気に向けて強く吹き付けると!

蒸気の量が瞬間的に増えるのです。ぶわっと!
説明書きによると、温泉の蒸気とマッチの火の粒子が
物理変化をした結果なのだそうですが、摩訶不思議。

また、その奥には大きな地獄の池があり
泉温90度の湯がブシューッブシューッと盛大に排出されていました。
温泉卵もやってましたが、、、
あまりにも長いこと蒸気で蒸されてて、殻の色が変わってましたよ。。。

そのお隣、鬼山地獄
ワニがいた…なんでワニ??しかも動かないし…本物?…置物??

大正12年に日本で初めて温泉熱を利用したワニの飼育がなされたとかで
クロコダイル、アリゲータなどが…100頭も飼育されてるそうです。

さっきもカバに驚かされましたが、温泉にまさかワニがいるとも思わず
あまりのインパクトの大きさに面食らいましたよ(笑゛
やっぱり。別名ワニ地獄というそうです。

次に、そこからちょっと歩いて道の反対側にある白池地獄へ。
で、こっちにはピラニアがいた…なんでピラニア??
もうなんだかワケ分からない地獄巡りになってきました(大笑
やはりこちらも温泉熱を利用して各種の熱帯魚を飼育しているそうです。

で、肝心の温泉はというと、海地獄が白く濁ったような温泉。
噴出時は透明な温泉なのですが、
温度と圧力が低下すると自然に青白色になるそうです。
重炭酸カルシウム等を含むので、
飲めば胃腸病、入浴すれば皮膚病に効果ありだそうですv

流石にここまで灼熱地獄を続けるとへばってしまったので
途中茶屋で一服v この夏初めてのかき氷を食べました♪
お約束ながら頭はキンキン、舌はイチゴ色にそめながら完食v

さて、地獄めぐりも後半戦。
ここから先は3キロ離れたところに地獄があるというので
一度駐車場に戻って車で移動。

AM11:15、血の池地獄です。
しおりには「煮えたぎる粘土が噴気までもが赤色!」と脅してあったので
びくびく覗いてみたのですが、残念。湯けむりは白かった。。。

手前の浅瀬に赤い粘土が堆積していて、これが地の池に見せています。
豊後風土記に「赤湯泉」と記された日本最古の天然地獄だそうです。
この赤い粘土で、皮膚病に効く”血の池軟膏”が作られているのだとか。

また、手前のお土産物屋さんが賑わっていたので
拙者も湯の花とか石鹸とか、
「毎日が地獄です。」な温泉グッズを購入(リアルだね。

そして最後にAM11:30、龍巻地獄へ。
天然記念物として別府市指定の間歇泉です。
30〜40分間隔で噴気を噴出するのですが、
世界の間歇泉の中でも、休止時間が短いことで知られているそうです。

見学できるように間歇泉の周りに階段状の椅子が設けてあり、
ちょうどよいタイミングで訪ねたので、
10分程度待ったら吹きあがりました!!

最初、ちょっとくすぶるような気配を見せた後、
一気にブシュシューッ!!と、ものすごい勢いで吹き出し、
5〜6分の間、2階建の屋根も超す勢いで吹き出し続けました。
吹き続ける湯量と巻き上がる湯けむりに、思わず皆しておぉぉ…と感嘆。
自然って凄いですね!

とまぁ、別府ならではの地獄めぐりを一通り楽しんだのですが、
そも、この鉄輪・亀川の地獄地帯は
千年以上も昔より噴気・熱泥・熱湯が噴出して、
昔は近寄ることのできない忌み嫌われた土地で、
人々から「地獄」と称せられたのだそうです。

今でこそ、見学できるように整えられていますが、
もし誤って地獄に落ちようものなら、それこそあの世行きです。
気軽な観光のつもりでしたが、そう考えるとちょっと危険なものでした。

とはいえ、現世の地獄は一見の価値ありです。
しおりに天台宗僧侶であられた今東光氏の言葉がありました。

「(前略)人間は一度は現世の地獄を見、何等かの意味でおのれを空しうして反省し
 生きる道を考えるには別府の地獄の諸相を目の当たりにすることを寧ろお勧めしたい。
 地獄をくぐって生き返った人間こそ本当の人間だからだ。」

というのです。説法ながら粋なお言葉ですね。まったくその通りです。
さて、朝食が豪勢だったので腹具合はまだ大丈夫。
昼時を押して巡察最後の締めとして大分縣護國神社へ。
佐川官兵衛さんのお墓参りに伺います。

PM1:30、「護国神社下」交差点から坂を上って頂上へ。
手前に広い駐車場があるので車をとめて
本殿の方へ向かったのですが、
どうも修復工事か何かの準備中だったようで、
鳥居の向こう側には機材が色々組まれていました。

その為、神門の奥はちょっと確認できず、
楽しみにしていた日本一の大破魔矢と絵馬は見てこれませんでした。
なかったのかな?残念。

この神社の創建は明治八年で、以降の様々な戦争で亡くなった
御霊を祀っているそうです。西南戦争然り。

大分で西南戦争?と不思議に思っていたのですが、調べてみると
大分各地でも官軍と薩軍との間で衝突があったようです。
旧岡藩士600人による竹田報国隊が参戦した竹田周辺を中心に戦場となり、
ここでも双方に多くの戦死者が出ました。
あまり知られていいませんよね?

で、ここ大分護国神社に西南戦争戦没者のお墓が
軍人と警察官に分けられてあります。

官兵衛さんは明治七年の警察官募集に応じて、
会津藩士300人を率いて東京警視局に入り、
西南戦争には警視局より従軍していましたので
西南戦争戦没警察官墓地にお墓があります。

境内にある大きな地図で場所を確認すると、
「西南の役警察官墓地」として記されてあるのですが、
それを見て、「疲れたから休む。一人で行ってこい」と
父上は車待機を希望したので、単身墓地に向かいます(ぴよー。。。

第二鳥居より下が遠く見える長い階段を下りていくと
左手に脇へ延びる階段があり、それを上れば警察官墓地です。
百基近い墓標が整然と並び、官兵衛さんのお墓は
左手の一番奥ににありました。

墓石の表面に「一等大警部佐川官兵衛墓」とあり、
官兵衛さんのお墓であることが確認できます。合掌。
そして整然と立ち並ぶ墓標の側面を確認してみると
福島をはじめ、青森、秋田など、東北出身者が多いことがわかります。

ちなみに、写真では明るく写っていますが
ここ、かなり怖いです。。。(どーせ怖がりですよ><。

夏の盛りだというのにヒンヤリとしていて、
鬱蒼と茂った木々からは時折カラスが羽ばたき、、、
ここを訪ねようとしないかぎり、本当に人が来ることないので
心配になった父上が拙者を追いかけてやって来た時には
本当に飛び上りました+◆+。脅すなおー。

そんなわけで階段を改めて下りた分だけ上って戻り、
別府湾を望む小高い丘でひと休憩。
今回お参りはしなかったのですが、この参道の脇に軍人墓地があります。
西南戦争で戦死した薩摩出身者が多い陸軍軍人214柱があるそうです。

ちなみに、花の時期じゃなかったので残念だったのですが
境内に植えられた200本の豊後梅は有名だそうですv
古くから豊後の名産で、江戸時代には毎年将軍家に
大梅の砂糖漬が献上されていたそうですv砂糖漬け〜>ε<

さて、よだれが出てきたところでお腹もなりはじめ、
軽く遅めの昼食をとって大分港へ。PM2:35。
とうとうこの旅も帰路につくことに。

で、台風ですが。。。相変わらず接近していることには変わりなく
乗船手続きの準備をするも、まだ出港できるかどうか危うい状況。
受付で確認したところ、どうやら出港しなかった場合、
予約枠は持ち越されることなく、改めて乗船の予約が必要になるとかで+▲+。

この帰省ラッシュまっただ中で予約の空きがあるはずもなく、、、
こりゃ、最悪の場合、陸路を走ることになるけれど…
…そしたら休暇延長して萩とか寄っちゃう??なんて
半分冗談で(半分本気で)言い出した頃、
無事出港するとのアナウンスが!船で帰れますよっ><。

PM4:10、往きと同じく『ダイヤモンドフェリー』にて大分発。
風は多少強いものの、空は晴れていて夕空が気持よく、
まだ明るいうちの出向なので船員さん達が慌ただしく走り回っている様を
甲板から親子して観察していたのです、が、、、
この時、盗み撮りされていたことを後日知りました。。。

「なんかね、D×Iさんがいると思ったんだけどね?
知らない男の人と一緒にいたから声掛けていいか分からなかったのね。
だから写真撮っておいたの!」

と、嬉しげに、「これが証拠写真だよ」と見せられたそれには
どう考えても第三者の撮影によるアングルで、
拙者と父上が並んで船先にアホ面を向けている場面でした。間違いない。。。

それを撮ったのはモンゴリアのオチャメなお兄さん。
会社の先輩なんですが、なんと、この船に同乗していたのです…+▲+;え゛ぇー!?
どうやら、兄さんはこの激写がとっても嬉しかったようで(コラ。
残りの休暇中、どうやって拙者を驚かそうかと企んでいた模様。
ええ、そりゃもう、御期待通りの反応を返しちゃいましたよっ(ぐあぁぁぁー!!

ま、それは後日談として。そんな盗み見されていたとは気づかずに
帰路も甲板の上で船が波を切って進む様と、夕日の海の景色を楽しみました。
ま、流石に台風の影響で往路より多少波が高く、甲板の上は烈風が吹き抜け、
体が吹き飛ばされるのが面白くて、大人げなくはしゃいでました(非常に危険です。
そして傾く船内で夕食をたいらげ、今宵も早々の就寝。

流石に、連日の疲れが押し寄せてきて、往路より寝つきが早く気づけば朝でした。
明けて18日、台風の影響で入港時間は多少ずれたようですが
無事、神戸港に入港。戻ってきたー><。
けど、やっぱりカーナビはまだ大分にいる状態でした(笑

朝日が眩しい中、高速を走り吹田SAで朝食。
なにやら一路帰宅するのがもったいないような気分で阪神高速を経て帰阪。
途中、ガソリンスタンドによって念入りに洗車しました。
潮にまみれた車体を綺麗にして帰りました。
そのままにしとくと錆びちゃいますしねv 頑張って走ってくれました^^

んで。さらに後日談。。。
阿蘇草千里で見た”アレ”は、ありえないことにありえないことでした(動揺。
例の証拠写真を突き付けられた驚きのままに、
もしかしたらもしかして、、、と社長に冗談交じりに聞いてみたら
「あー!やっぱり!いたいた。ちょうどその時間!奇っ遇ーっv」
と、こっちもビンゴー!ってマジでかっ´▼`;マジでしたよ。

どうやらこの夏は九州に風向きが集中していたようで。
聞けば社長はもう一日旅程が長かった為に、まんまと台風とカチ合ってしまい、
フェリーが休航となってしまったので、次の日まで予約が空くのを待って帰って来たそうで。
皆さん、ホントお疲れ様でしたね。

なにやら後日談のインパクトが強すぎて、旅の場景が吹っ飛ぶ勢いですが、、、
今年も思い出深い旅になりましたv
資料提供など旅の準備からお世話になりました三太さん、きららとんぼさん、
本当にありがとうございました!
これを機にもっと佐賀の乱〜西南戦争を勉強して、
また九州に行きたいと思いますv 次はやっぱり鹿児島かな。

そして最後に、今回もわがままな娘に付き合ってくれた父上、ありがとう^^
親孝行もそこそこに振り回してばっかで御免ね。また湯治に繰り出しませう!


2006.08.17〜18

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